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2017.08.14

染吉10周年記念 5日連続落語会〜染吉っとんの会 第三夜(17-032)

18:30 動楽亭
・林家染八  相撲場風景   
・林家染吉  金明竹
・林家花丸  三十石
中入り
・林家染吉  鬼あざみ 



さてさて、5日連続の落語会も、今日で折り返し。
なんとか、仕事には行けました。(そらー、行かな!)
やっぱり仕事の後で駆けつけると、昨日、一昨日に座っていた最前列キープはおろか、座椅子にも座れず、ミニパイプ椅子。
お尻が痛いんやなー、これ。

さて、昨日に引き続き、今日も林家一色。
トップは、染八さん、相撲場風景。ワタシは苦手なんやなーこの噺。
なんでやろうか?誰が演っても楽しいって思うことがない。

続く染吉さんは、昨日、一昨日の会の話をマクラに。
(ついでに、昨日の打上げの、「動物園で動物に石を投げ放題の先輩落語家」話題とか。)
演目は金明竹。

ゲストの花丸さんは、三十石 夢の通い路。
さすが、評判の船頭唄!
感動ものですね〜。ほんま、素晴らしい。

中入りの間に、一番後ろのパイプ椅子に移動。まだ、この方が楽かも。

トリ、染吉さんの鬼あざみ。
法善寺で、割と最近聞いた噺。
人情噺ではあるんやけど、スッキリすることもなく、モヤモヤ感は残る。

どうしようもないことは、どうしようもなくって、悪いことは悪いことを呼んで。
人を殺めて、そのあとは金を盗んでも貧しい者に分け与えて。でも、最期には命で償うことになってしまう。
哀しい噺ですね。


今日、染吉さんの鬼あざみを聞いたので、久しぶりに、昔聞いた桂文紅さんの音源を聞いてみました。
ビクター落語上方篇の約41分版と出所不明の約27分版、どちらも染吉さんの噺とは違ってます。
清吉が奉公した後は、一瞬で10年後の情景。(ここで文紅さんは、落語は便利なもので拍子ひとつで北海道でも沖縄でもたちどころに手紙が送れる。・・・という小ネタが入る。長い方のバージョンでは「カムチャッカでも」)

ある暑い日に、立派な姿をした清吉が突然帰宅する。
ここいらの描写は、「藪入り」同様で、暑い中帰ってきた息子清吉に風呂屋へ行くよう勧め、「ええ下駄は履いていくな。」とか「おい、八百屋、せがれが通るからくるまをどけたれ。」

風呂屋に行っている間に、大金を持っていることがわかり、問いただし自首を勧める。
ところが清吉は、これまで悪行を重ね、子分もおり、足を洗うことができないとの答え。

なので、清吉が奉公先の番頭さんと争う場面もありません。
その後、継母おまさは病死、橋から身投げしようとした父親を偶然清吉が助ける・・・。

さげは、「盗みはすれど非道はせず、ある所のものを持ち出しては貧しい人を助けてやったといぅ、義賊鬼あざみ清吉、生い立ちのお話でございます。」


で、そうなると、次は、六代目三遊亭圓生の「双蝶々」を聞いてみないといけない。(2時間くらいある超長編なので、今日は、もう無理。眠たい眠たい。)

で、仕事を半日休んで聞きました。

ワタシ、こちらの方が染吉さんの鬼あざみのルーツだと考えてます。

双蝶々の前半は、「小雀長吉」というタイトルで演じられてて、主人公の「長吉」は幼い頃から悪さばかりをしている八百屋の息子。
継母に金をせびるが、もらえないと判ると、父親に嘘八百を並べ立て、夫婦喧嘩になる。
長吉が嘘をついていたことがばれ、米問屋へ奉公に出される。
ここらまでは文紅さんの噺同様。

奉公先では、仕事が出来るので重宝され、表向きはよく働いていたが、裏では悪友と組んで盗み働き。
 
それが番頭に見付かり、また、番頭も悪人で、吉原の花魁を身請けするための百両を主人の部屋から盗んで来るよう脅す。
長吉はお腹が痛いと嘘を云い、箪笥から薬を出すふりをして、金を盗む。
番頭を殺してしまおうと計画し、独り言で言ったのを小僧に聞かれ、その小僧を口封じの為に殺してしまい、金を懐に逃げてしまう。

後半は「雪の子別れ」というタイトルで、

長吉の親夫婦は、もとの長屋にいられなくなり、隠れるように裏長屋暮らし。父親は病気で腰が立たなくなってしまう。
浅草の観音様に病気の回復祈願をすると言って出掛けては行くものの、実は、継母は毎晩、隅田川の川岸あたりで、袖引きをしていた。

奥州石巻に逃げていた長吉が江戸へ出て来ていた。継母が袖乞いをしたのが、偶然長吉で、親子の対面。
長吉は、継母に「つらく当たっていたのは、父親をとられるとの思いからだった。」と打ち明ける。
 
父親のいる長屋へ連れられた長吉は、真っ当に魚屋をしていると嘘をつき、お金を渡すが、父親にはわかってしまい、悪事から足を洗うよう言う。
長吉は、奥州には80人からの子分がおり、自分だけだけ足を洗う事はできないと拒む。
父親は、江戸境の千住の橋は役人に怪しまれるからと、もらい物の羽織を渡す。
 
雪の中、長屋を出た長吉は、追っ手に取り囲まれて御用になり、噺は終わる。

ねっ! 染吉さんの「鬼あざみ」そっくりでしょう?

さてさて、染吉さんはこのネタを誰に教わったのか、、、その方の噺も聞いてみたいものです。

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