5月4日 四天王寺さんにいってきました。
落語「天王寺詣り」に出てくる建物や門、そのほかを見にいこうといつからか考えてて、落語にあわせて歩いてきました。
が、ちょっと写真が多いのと、落語との組み合わせが難しくって、このブログのカタチではちょっと難しいかなと考えてます。あ、落語のテキストも桂文枝さんのを聞きながら行ったので、あわせてテープ起こし(?)みたいな作業もあったりして。
えっと、途中経過です。
ほんで、あんたは今日は参りまへんか?
わしは今日は参らん、わしの参んのは中日や
「中日」言いますと?
今日が三日目、あしたが四日目で中日。あした参る。
「あした参る」てあんたそんなこと言うてて、今晩のあいだにゴロッと死んでしもたら参られしまへんで。
そんな人の気の悪なるようなこといいなはんな。
そうでんがな、小野小町は女やけどええこと言いましたで。「人間は風前の灯火です」と、風前の灯火とは風の前の火「明日をも知れぬ身の終わりかな。」。一休さんが、「小野小町は女で気が長い。風前の灯火なら明日をもどころやない、今をも知れぬ身の終わりかな。」。御開山(ごかいさん)が何とおっしゃった。「明日あると思う心のあだ桜、夜半に嵐の吹かぬものかは、ただ南無阿弥~」
そんなとこで法談をすな、あほやな。そんな人の気の悪なるようなことば~っかり言うねや、こいつは。もうしゃ~ないわ、こうなったら「牛に引かれて善光寺参り」やわ。
ヘヘッ、わてらは「犬に引かれて天王寺参り」でんなあ。
かけあいでしゃべってんねやな。こいつは。
ずっと、「ごかいさん」の意味や漢字を知りませんでした。
最近、西本願寺に行ったり、親鸞の本を読んだりして「ご開山」やということがやっと分かりました。
宗派、宗教の祖という意味なんですね。ここでは、親鸞聖人のこと。
さあ、こっち出といで。これが逢坂は合邦が辻やな、西に見えるが新世界、高いのが通天閣や。
こっちきなはれ、これが一心寺さん、向かいが安井の天神さんや、これをまっすぐずっときたところにある、正面にあるのが、これ天王寺は石の鳥居やないか。
まあ~っ。
どっから声出すねや、おい。
立派なもんでんなあ。
立派なもんやろ。これを「日本の三鳥居」とこう言うねんで。
「日本の三鳥居」いいますと?
大和吉野にあるのが唐金の鳥居、安芸の宮島にあるのが楠の鳥居、天王寺は石の鳥居。と、これを「日本の三鳥居」とこう言うねやがな。
ああさよか。みな同類でんな。
同類って、盗人みたいに言うてんのやあらへんがな。
あらあ~、またえらいとこにチリトリが上がったあんねやなあ。
「チリトリ?」チリトリと言うやつがあるかい、あら扁額(がく)ちゅうねや。あの中に字が書いたあるけど読めるか?
そんなん、あんた読めまんがな。四つずつ四つでんがな、シシの十六字でんな。
字数やないねん「何と書いたあるか分かったあるか?」っちゅうねや。
そらあんた、分かったないわっちゅうねん!
何を言うとんねん。あほ。「釈迦如来、転法輪処、当極楽土、東門中心」じゃ。
ははっ、何にも分からん猫の糞じゃ。
そんなあほなこといいないな。
誰が書いたんですか?
弘法の支え書きと言うなあ。
へえ~、ドジョ~汁の中へ入れたらうまいやっちゃがな。
そらおまえ、「ゴンボのささがき」やないか。まこと小野道風の自筆やとも言うなあ。
へぇ~、古いもんでんねんな~あ。
扁額の1326年に作られたものは四天王寺の中の宝物館でみる事ができます。
そこでは、目の高さあたりに展示されてるので、文字をしっかり確認することができます。(写真撮影は禁止)
縦165cm、横110cm、重さ225kgの鋳銅製だそうです。
おまえ、それ、古いちゅうことが分かるか?
わかるかって、あんた、片っぽの縁欠けて、取れてまんがな。
取れたあんのやない。あら、扁額と言い条、箕(み)のカタチにしてあんねや。
「不意死したものは箕で身を救うてやろう」。柱の根元を見てみなはれ、蛙が彫ったあるやろ、上が箕で下が蛙「上から下へ、箕蛙」とこういうねや。
ははっ、さよか。ほな、わたいがここでひっくり返るっと・・・・。
そんなとこでひっくり返りすな。あほう。あたま砂だらけやないかい。
いらんことせなんだよかった。ひっくり返った拍子に前の立石(たていし)で頭がつーんっと打ってえらい痛いわ。
立石ってそんなもんがどこにあるねん。
鳥居の横に立ってまんがな。
これを立石と言うやつがあるか、こら「ポンポン石(せき)」と言うんや。
「ポンポン石」て何だんねん?
この石に四角い穴が開いたあるやろ、そこへ別の石を持っていって叩くとな「ポ~ン、ポ~ン」ちゅうて、唐金のような音がするんねん。耳を当てると、我が身寄りの者があの世で言うてることが聞こえるっちゅうねや。
さよか、えらいまたオモロイもんがおまんねんな。いっぺんやってこましたろこれで叩きまんのん、これで叩いたらよろしおまんねんな。へぇ~ッ、なるほどねぇ(トントントン)へぇ、なるほど、あ、ほんに、はッはッはッはッ……、やりよったなあ、ちょこざいな~。
おい、お前何を言うてんねん?
うちのおばはんね、死んであの世行て閻魔はん取り込んで、手広う商売してますわ。
そんなことが分かんのかい?
「分かんのか」て、言うてまんがな、耳当てて聞ぃてみなはれよう聞こえまんがな。「ただいま景色のええところが開いておます。おでんの熱々、休んでお帰り。」
そら隣りの茶店じゃ、あほう。
茶店でっか?
こういう慌てもんやで、難儀なやっちゃなあほんまに・・・・、こっち出といで。
これが納骨堂。乳母さん、乳の出ん方はここへお参りするなあ、布袋さんがお祀りしてあんねや。
これが天王寺の西門やないかい。
へぇ~ッ、えらいまた敷居が高こうなってまんなあ?
天竺をかたどって敷居が高こうしてあるわけやな。
はあ、なるほどね~。こんなとこ車がおまんなー?
車と言うやつがあるかい、こら「輪宝」ちゅうねや。
「輪宝」て何だんねん?
天王寺は天竺をかたどって手洗い水がない、水という字を崩して車にしてある。三べん回すと手を洗ろうたも同然やちゅうにゃ。
へぇ~ッ、えらいもんがこんなとこ吊ってまんねやな。これ、廻しまんのか。(カラ、カラッ)
あんたなんやかんやで、よう嘘つきなはんな~。
何が嘘や。
そうでっしゃないかい。「手を洗うたも同然や」て、わて、今さっきお尻掻いたんでっせ、臭いしたらやっぱり臭い。
アホなこと、バチが当たるで。
こちらが手洗水。四天王寺さんにも手洗水、実はあるんですね。
説明書き(西大門(極楽門)縁起)によると、「当門の柱に「転法輪」が設置されているのは、当時の境内が釈迦如来の法輪を転ずる処であることを示している。」
五重の塔ちゅうのはどれです?
五重の塔言うのはこれがそうや。
これなんで五重の塔言いまんねやろうな。
なんでて、五つあるさかい五重の塔や。
一つ、二つ、三つ、四つ・・・・、四つしかおまへんがな。
何を言うてんねん。もひとつ一番上にあるやないかい。
「もひとつ上に」て、ああ、あの蓋も一緒でっか?
「蓋」ちゅうて、重箱みたいに言うてるのやあらへんがな。こっち出といでや。
これが南門、仁王さんのあんのがここや。
西に見えるが紙衣(かみこ)さん。虎の門。太子引導鐘。猫の門、左甚五郎の作やな、大晦日の晩にはこの木彫りの猫が鳴くという。用明殿。指月庵に、お太子さん十六歳のお姿や。亀井水と言うて亀の口から水が流れてるなあ、経木流しに来んのがここや。西に見えるが牛さんで、前が瓢箪の池。東に見えるが東門で、内らへ入ると釘無堂に本坊に釈迦堂や・・・・、こっち回り。
これが大釣鐘に、足形の石に、鏡の池に、伶人の舞の台やないかい。
へぇ~ッ……。ほなちょっと尋んねますけどもね「天王寺の蓮池に、亀が甲干す、ハゼ食べる。引導鐘ごんとつきゃ、ホホラのホイッ」ちゅうのはどれです?
そんなおかしな尋んねよぉすなアホ、そらここの池やがな。
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