第76回地底旅行寄席
今日は初めての地底旅行寄席。港区の田中機械ホールというところ。
元工場なので勝手がわからず、階段から降りてきた兄ちゃんに寄席はどこでやってるんですか。と聞く。
やさしいその兄ちゃんは、会場の階段下まで連れてってくれる。
階段をあがると、大きな集会室のようなところ。
いわゆる地域寄席で、近所のおばちゃん、おばあちゃん達の集会のような有様。
左に座ったおばあちゃんは、スーパーの袋いっぱいにお菓子を持参して、それを延々ビニールの小袋に分けている。
がさがさ、何をしているのかと思えば、小分けにしたお菓子(幼稚園児の遠足のおやつ状態)を、知り合いのおばちゃん、おばあちゃん連中に配っている。
もらったおばちゃん達も、決して手ぶらで来ているわけがなく、あたりは、おやつ交換会。
まずは、桂 三段さん、涙なみだのご対面。
桂三枝さんの話を聞いたことがあるが、やはり、三枝さんってうまかったのね。
入門1年程度の三段さんにはとてもムリだった。
話がつまるだけでなく、完全に止まってしまったり、着物は乱れ、足はしびれ、立ち上がった時にはよろめいている。
せめて、正座の稽古だけでもじっくりやってきてください。
見かねたのか、桂 三金さん、「演者が3人だけとは、ちょっと寂しいので、、、、」と急遽登場。
ネタは、野ざらし。
釣りに行って、暴れるところまで。
三金さんも最近何度か聞いてますが、着実にうまくなってますよね。
今日、眼鏡を外していたのは、暑かったから?それとも、おばあちゃんが多かったから?
続いて、月亭遊方さん、自作の虚礼困惑騒動。
師匠八方から「もう、お歳暮とかはいらんから。そんなんするくらいやったら、子供に何かええモン食べさしたりや。」と言われ、歳暮をやめたが、弟弟子八天は続けているらしいとの話。
自作のネタは、豚足まんじゅうが引き起こす、元上司と部下、部下夫婦の話題。
演じ方でこんなにおもしろくなるんやなぁ。
ここで中入り。
すでに開演から65分が経過している。
このあと、地獄八景全編が聞けるのだろうか。途中で「おなじみの地獄八景で、、」と終わってしまうのかと考えていた。
トリに、登場した桂 三風さん。
よく見ると、会場に来たときに案内してくれた兄ちゃんやった。
(現代版)地獄八景亡者戯。
自ら現代版にしたとの噺は、効果音をふんだんに使った楽しい落語。
地獄八景は、もともと演者によって色んな時事ネタを織り込むことができる、いわば懐の広い噺だが、鯖を「冷蔵庫」にしまったり、大家さんを「ロイヤルハイツの大家さん」にしたりという細かいところが楽しい。
でも、やはり、鯖にあたって死んだのは「竹田」(本人の本名)さんだったり、扇子でかんざしのビラビラを表現したり、古いところもいっぱいあって、そのギャップも楽しかったりするし。
最後に、効果音がきかなくなったあたりは、ちょっと苦しかったけど、すごく楽しめた落語会でした。
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